ヘルメットに関する取り扱いについてのご留意
はじめに

■ 保護帽をご使用になる前に、以下の記載事項を必ず最後までお読みいただき、
 十分理解した上で使用して下さい。

  • 保護帽は、法律〔労働安全衛生法〕で定める危険な作業場所や、これに準ずる場所や作業で頭部を保護するために使用するものです。
  • 保護帽は、厚生労働省の規格「保護帽の規格」に適合するもので、形式検定合格品には〔労・検〕のラベルが貼付されています。
  • 〔労・検〕のラベルに記載されている「飛来・落下物用」とは、上方からの物体の飛来又は落下による危険を防止又は軽減するためのものです。「墜落時保護用」とは、倉庫に積まれた荷の上、車輌の上方や、足場あるいは安全帯が使用できない場所からの墜落による危険を防止若しくは軽減するためのものであって、構築物や電柱等のような高所からの墜落による危険までも防止できるものではありません。
  • 電気用とは、使用電圧7.000V以下で頭部感電による危険を防止するためのものです。
  • 厚生労働省の「保護帽の規格」は、頭部の安全を確保するための最低限度の基準を定めたものであって、自ずから保護性能には限界があります。従って〔労・検〕のラベルは、絶対的に安全性を保証するものではありません。使用に当たっては、最大限の注意を払い、常に安全な作業ができるように、このホームページに従って使用して下さい。
  • 保護帽は、厚生労働省の規格「保護帽の規格に適合するもの」でなければ使用することができません。型式検定合格品には〔労・検〕ラベルが貼付されています。
危険・警告・注意の意味

このホームページで示してある危険、警告及び注意の意味は次の通りです。
 危険/最初から直接的に人命又は身体に重大な傷害を及ぼすことを意昧します。
 警告/このホームページの内容どおり正しく守らないと、身体に重大な傷害を及ぼすことを意昧します。
 注意/このホームページの内容どおり正しく守らないと、身体に傷害を及ぼすことを意昧します。

危険 【生命又は身体に重大な傷害を及ぼします】
  • 〔労・検〕ラベルが貼付されていない保護帽は使用してはなりません。
  • ラベルを確かめて、作業に合った種類の保護帽を使用して下さい。
  • 一度でも大きな衝撃を受けたら、外観に異常がなくても使用しないで下さい。(衝撃を受けた保護帽は性能が低下しているので、次に衝撃を受けたとき頭部を十分保護することはできません)
  • あごひもは必ず正しく締めて着用してください。(事故のとき保護帽が脱げて頭部に重大な傷害を受けます)
  • 保護帽を改造あるいは加工したり、部品を取り除かないで下さい。(保護帽は、各部品の全体のバランスで性能を発揮できるように設計されています。改造したり部品を取り除くと頭部が保護できなくなります)
  • 保護帽を「保護帽の 20 のチェックポイン卜」によって点検し、異常が認められるものはただちに交換して下さい。
  • 使用期限が長い保護帽は使用しないで下さい。特に帽体材質を確かめて、 PC 、 PP 、 PE 、 ABS 等の熱可塑性樹脂製の保護帽は、正常に使って異常が認められなくても 3年間程度までが限度です。FRP等の熱硬化性樹脂製の保護帽でも 5年間程度までが限度です。交換して下さい。

  • ※ 保護帽は、使用することにより性能が低下します。
    ※ 保護帽は、過酷な条件下において使用されるために、見た目以上に劣化が進んでいることがあります。
    ※ 性能が低下している保護帽は、緊急の危険に際して保護性能を発揮することがで'きません。
警告 【保護帽本来の性能を損ない、身体に重大な傷害を及ぼします】
  • ヘッドバンドの調整が悪いと、使用中ぐらついたり脱げやすく保護性能を十分に発揮することができません。
  • メーカー指定以外の部品、付属品を取り付けないで下さい。 〔機能が低下したり、性能が損なわれます〕部品、付属品を取り付けるときは、部品、付属品のホームページにしたがって取り付けてください。
  • 修繕をしないで下さい。
  • 炉前、乾燥炉前、投光器のすぐ近く等のような高温な場所での長時間作業はしないで下さい。〔材質が変質し、変色や変形をしたり、性能が低下します〕
  • 夏期の自動車内や、暖房器の近く等のような高温な場所や、直射日光のあたる場所に長期間保管しないで下さい。〔材質が変質、変色や変形を起こし性能が低下します〕
  • メーカー指定以外の塗料を用いて塗装をしないで下さい。〔帽体及び衝撃吸収ライナーの材質が侵され、性能が低下します〕
  • 保護帽に物を入れて運んだり、腰掛けたりしないで下さい。〔変形し又は着装体、衝撃吸収ライナー、帽体等を傷つけ性能が低下します〕
注意 【 機能や性能に影響を与え、身体に傷害を及ぼします】
  • メーカー指定以外のラベル、ステッカ一類等の貼付をしないで下さい。〔薬品、粘着剤など、によって帽体が侵されます〕
  • 帽体の汚れは中性洗剤で湿した布で拭き取り、浸水ですすいだ布で清拭して下さい。〔ベンジンやシンナー等の有機溶剤の使用は、帽体の破損、クラック、表面の溶け、シール剥がれ等を起こし、また衝撃吸収ライナーの材質を傷めます〕
  • 装着体、あごひもが汚れたときは、交換して下さい。完全に元どおりに組み立てて下さい。
  • 交換のために部品を取り外したときは、部品類を紛失しないよう注意して下さい。部品類が紛失したときに他の部品で代替したり、部品不足のまま使用しては成りません。〔性能が損なわれます〕
保護帽の着用方法
  • ヘッドバンドの調整 / ヘッドバンドの長さを、頭の大きさに合わせて調整して下さい。 ( ヘッドバンドの調整が悪いと、使用中にぐらついたり脱げやすく保護性能を十分に発揮することができません )
  • かぶり方 / 保護帽は真っすぐに深くかぷり、後ろへ傾けてかぶらないようにして下さい。
  • あごひも / あごひもはきちんと締めて下さい。着用中はゆるめたり、外してはいけません。 ( 事故のとき保護帽が脱げて重大な傷害を受けます )

 

保護帽の構造
番号 名称 備考
帽体 頭部を覆う、硬いかく(殻)体
着装体 ハンモック 保護帽を頭部に保持し、当たりを良くして衝撃を緩和する部品
ヘッドバンド
環ひも
衝撃吸収ライナー 発泡スチロール製等の衝撃を吸収するための部品(梱包材料ではありません)
あごひも 保護帽が脱落するのを防止するための部品
※ 保護帽は、帽体、着装体、衝撃服収ライナー、あごひも等の部品によって構成されています。
※ これらの部品の一部でも性能が低下すれば、危険を防止又は軽減することができなくなります。
保護帽の使用区分(種類)・構造・機能
使用区分〔種類〕 構造 機能
飛来・落下物用 帽体、着装体及びあごひもをもつもの。 飛来物又は落下物による危険を防止又は軽減するためのもの。
墜落時保護用 帽体、着装体、衝撃吸収ライナー及びあごひもをもつもの。 墜落による危険防止又は軽減するためのもの。
  飛来・落下物用
墜落時保護用
帽体、着装体、衝撃吸収ライナー及びあごひもをもつもの。 飛来物又は落下物による危険及び墜落による危険防止又は軽減するためのもの。
飛来・落下物用
電気用
(使用電圧7000V以下)
帽体、着装体及びあごひもをもつもので、帽体が充電部に触れた場合に感電から頭部を保護できるもの。 飛来物又は落下物による危険を防止又は軽減し、頭部感電による危険を防止するためのもの。
   飛来・落下物用
墜落時保護用
電気用
(使用電圧7000V以下)
帽体、着装体、衝撃吸収ライナー及びあごひもをもつもので、帽体が充電部に触れた場合に感電から頭部を保護できるもの。 飛来物又は落下物による危険及び墜落による危険防止又は軽減し、頭部感電による危険を防止するためのもの。
保護帽を被り原動機付自転車を含むオートバイに乗車することはできません。
(保護帽は乗車用ヘルメットとは設計、製造、性能試験などの目的と方法が全く異なり別のものです。)
検定規格
物体の飛来または落下による労働者の危険を防止するための保護帽
墜落による労働者の危険を防止するための保護帽
電気による労働者の危険を防止するための保護帽
国家検定用途区分
飛来落下物用           ABS樹脂
墜落時保護用           強化プラスチック
耐電用           ポリカーボネイト樹脂
          ポリプロピレン樹脂

 

保護帽規格
1.衝撃吸収性能(厚生労働省保護帽規格による)
飛来落下物用
高温処理・低温処理・浸せき処理など一定の条件下で保護帽を人頭模型に装着し、その後5kgの半球型ストライカを1m の高さから保護帽の頂部に自由落下させ、この時の人頭模型に伝わる衝撃荷重が4.9OkN(キロニュートン)以下であること。
墜落時保護用
高温処理・低温処理・浸せき処理など一定の条件下で保護帽を人頭模型に衝撃点が前頭部及び後頭部になるよう装着しその後 5kgの平面ストライカを1m の高さから保護帽の前頭部及び後頭部に自由落下させ、この時の人頭模型に伝わる衝撃荷重が9.81kN (キロニュートン)以下であること。
高温処理条件
48℃以上52℃以下の条件下で2時間放置。その直後に5kgのストライカを自由落下させます。
低温処理条件
-12℃以上-8℃以下の条件下で2時間放置。その直後に5kgのストライカを自由落下させます。
浸せき処理条件
20℃以上30℃以下の水中に4時間浸せき。その直後に5kgのストライカを自由落下させます。
2.耐貫通性能(厚生労働省保護帽規格による)
飛来落下物用
保護帽を人頭模型に装着し、重さ3kgの円すい形ストライカを1mの高さから保護帽の頂部に自由落下させ、この時ストライカの先端が人頭模型に接触しないものとする。
墜落時保護用
帽体のみを試験用ジグの頂部リングにかぶせ、落下点が帽体の前頭部、後頭部及び両側頭部になるように合わせ、重さ1.8kgの円すい形ストライカを0.6mの高さから自由落下させ、試験用ジグの頂部リングの上端から帽体内部のくぼみの最下降点(円すい形ストライカの先端が帽体を貫通した場合円すい形ストライカの先端)までの垂直距離が15ミリメートル以下であること。
3.耐電圧性能(厚生労働省絶縁用保護具規格による)
  電圧が3,500Vをこえ7,000V以下である電路について用いる時は20,000Vの電圧をかけ1分間耐えること。
※(人頭模型はそれぞれの試験に合ったものを使用します。)
帽体の材質比較表
  性質
帽体材質 耐熱性 耐候性 耐電性 耐有機
溶剤性
特徴
熱硬化性 FRP樹指製 (ファイバーグラス・レインフォースド・プラスチックの略)ガラス繊維に不飽和ポリエステル樹指を含浸させて強化した樹指 ×
リベット穴より通電するため
耐候性耐熱性には特に優れているが、耐電性としては使えない
熱可塑性 ABS樹指製 (アクリ口ニトル・プタジエン・スチレンの略) × 耐電性には優れているが、高熱環境での使用は不向
PC樹脂製(ポリカーボネー卜の略) × 耐候性はABSより優れている
PP樹指製(ポリプロピレンの略)   有機系の薬品を使用する作業に最適

 

適用される作業範囲
1. 物体の飛来又は落下による労働者の危険を防止するための保護帽
労働安全衛生規則
規則 作業内容
194 条の 7 ジャッキ式つり上げ機械作業 ( 建設工事の作業を行う場合においてジャッキ式つり上げ機械を用いて荷のつり上げ、つり下げ等の作業 )
366 条 明り掘削の作業
412 条 採石作業
464 条 港湾荷役作業
484 条 造林等の作業
497 条 木馬又は雪そりによる運材の作業
516 条 林業架線作業
517 条の 10 施工令第 6 条第 15 号の 3 の作業。橋梁の上部構造 ( 高さ 5m 以上又支間が 30m 以上 ) の架設、解体作業又は変更作業
517 条の 19 施工令第 6 条第 15 号の 5 の作業。コンクリート造りの工作物 ( 高さ 5m 以上 ) の解体、又は破壊作業
517 条の 24 施工令第 6 条第 15 号の 6 の作業。橋梁の上部構造でコンクリート造り ( 高さ 5m 以上又支間が 30m 以上 ) の架設、又は変更作業
539 条 船台の附近、高層建築物等の場所でその上方にて他の労働者が作業を行っているところで作業するとき
2. 墜落による労働者の危険を防止するための保護帽
労働安全衛生規則
規則 作業内容
151 条の 52 最大積載量が 5 トン以上の不整地運搬車に荷を積み卸しの作業 ( ロープ掛け及びシー卜掛け又ロープ解き及びシート外し作業を含む )
151 条の 74 最大積載量が 5 トン以上の貨物自動車に荷を積み卸しの作業 ( ロープ掛け及びシート掛け又ロープ解き及びシート外し作業を含む )
435 条 はいの上における ( 作業の箇所の高さが床面から 2m 以上 ) 作業
3. 電気による労働者の危険を防止するための絶縁用保護具
労働安全衛生規則
規則 作業内容
341 条 高圧活線作業 ( 高庄の充電電路の点検、修理等当該充電電路を取扱う作業 )
342 条 高圧活線近接作業 ( 電路又はその支持物の敷設、点検、修理、塗装等の電気工事の作業 )
343 条 絶縁用防具の装着等 ( 絶縁防具の装着又は取り外しの作業 )
346 条 低圧活線作業 ( 低圧の充電電路の点検、修理等当該充電電路を取扱う作業 )
347 条 低圧活線近接作業 ( 低圧の充電電路に近接する場所での電路又はその支持物の敷設、点検、修理、塗装などの電気工事の作業 )
351 条
絶縁用保護具等の定期自主検査
事業者は、第348条第1項各号に掲げる絶縁用保護具等 ( 同項第 5 号に掲げるものにあっては、交流で 300V を超える低圧の充電電路に対して用いられるものに限る。以下この条において同じ。 ) については、6ヶ月以内ごとに 1 回、定期に、その絶縁性能について自主検査を行わなければならない。ただし 6 ヶ月を超える期間使用しない期間においては、この限りではない。 2. 事業者は、前項ただし書の絶縁用保護具等については、その使用を再び開始する際に、その絶縁性能について自主検査を行わなければならない。 3. 事業者は、第 1 項又は、第 2 項の自主検査の結果、当該絶縁用保護具等に異常を認めたときは、補修その他必要な措置を講じた後でなければ、これらを使用してはならない。 4. 事業者は、第 1 項又は第 2 項の自主検査を行ったときは、次の事項を記録し、これを 3 年間保存しなければならない。 (1) 検査年月日 (2) 検査方法 (3) 検査箇所 (4) 検査の結果 (5) 検査を実施した者の氏名 (6) 検査の結果に基づいて補修等の措置を講じたときは、その内容
4. 労働安全衛生規則において作業主任者の職務として
保護帽の使用状況を監視することがきめられている作業
労働安全衛生規則
規則 作業内容
151 条の48 積み卸し ひとつの荷でその重量が100kg以上のものを不整地運搬車に積む作業(ロープ掛け作業及びシート掛け作業)又は卸す作業
151 条の70 積み卸し ひとつの荷でその重量が100kg以上のものを貨物自動車に積む作業(ロープ掛け作業及びシート掛け作業)又は卸す作業
247 条 施行令第6条第14号の作業
型わく支保工の組立等の作業
360 条 施行令第6条第9号の作業
地山の掘削作業(掘削面の高さが2m以上)
375 条 施行令第6条第10号の作業
土止め支保工の切ばり又は腹おこしの取付け又は取りはずし作業
383 条の3 施行令第6条第10号の2の作業
ずい進等の掘削等の作業
383 条の5 ずい道等の覆工作業
388 条 第364条から第367条までの規定はずい道等の建設の作業を準用する
404 条 施行令第6条第11号の作業
採石のための掘削作業(掘削面の高さが2m以上となる採石法第2条に規定する岩石の採取のための掘削の作業)
429 条 はい作業
514 条 施行令第6条第3号の作業
林業架線作業
517 条の5 施行令第6条第15号の2の作業
建築物等の鉄骨の組立等作業
建築物の骨組み又は塔であって金属製の部材により構成されるもの(その高さ5m以上)の組立、解体又はその変更作業
517 条の9 施行令第6条第15号の3の作業
鋼橋架設等作業
517 条の13 施行令第6条第15号の4の作業
木造建築物の組立等作業
517 条の18 施行令第6条第15号の5の作業
コンクリート造りの工作物の解体等作業
517 条の23 施行令第6条第15号の6の作業
コンクリート橋架設等作業
566 条 施行令第6条第15号の作業
足場の組立作業
クレーン等安全規則
クレーン等安全規則
規則 作業内容
33 条2-3 クレーンの組立て又は解体の作業
75 条2-3 移動式クレーンのジブの組立て又は解体の作業
118 条2-3 デリックの組立又は解体の作業
153 条2-3 エレベーターの昇降路塔又はガイドレール支持塔の組立て又は解体の作業
191 条2-3 建設用リフトの組立て又は解体の作業
保護帽交換の目安


■ このイラストは、異常な状態を分かり易くするため誇張して表現してあります。